PCB回収
PCB問題について
□ PCBとは
PCB(Polychlorinated biphenyls:ポリ塩化ビフェニール)は、水に溶けない、化学的に安定、絶縁性が良い、
沸点が高いなどの性質を持つ、工業的に合成された化合物である。
一方で、PCBは人の健康・環境への有害性が確認され、分解されにくく、後半に環境中に残留している
ことが知られている。
また近年、PCB油中に含まれているコプラナーPCBによるダイオキシン問題も懸念されている。
PCBは、絶縁性等の性質により、主として次の用途に使用。
電気機器の絶縁油(トランス、コンデンサ他)
a.高圧トランス(変圧器:発電所、工場・ビルの受電設備、鉄道車両等で使用)
b. 高圧コンデンサ(蓄電池:送配電線等で使用)
c. 低圧トランス・低圧コンデンサ(家電製品の部品等で使用)
d.安定器(蛍光灯、水銀灯の安定器の力率改善用コンデンサの絶縁油として使用(住宅用には使われていない))
e.柱上トランス(配電用)
熱媒体(熱媒油)、潤滑油
化学製品などの製造工場の熱媒体、機械の高温用の潤滑油として使用
感圧複写紙(PCBが塗布されている)
□ PCB規制までの経緯
PCBは、国内では昭和29年から昭和47年にかけて生産され、約54,000トンのPCBが国内で使用された。
昭和43年、西日本各地で発生したいわゆる「カネミ油症事件」によりPCB問題が社会的な問題となり、
昭和49年に「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」に基づく特定化学物質(現在は第一種特定化学物質)
に指定され、新たな製造・使用が原則禁止された。
□ PCB使用安定器を使用していた照明器具の種類
昭和32年1月から昭和47年8月までに製造された,施設用の蛍光灯器具,水銀灯器具及び低圧ナトリウム灯器具のうち,次の種類のものに使用されていました。
(1) 蛍光灯器具
「ラピッドスタート式」及び「フリッカレス式」で,「高力率形」のもの。使用蛍光ランプは,40W 2灯用が主であるが,他に60W,80W,110W,220Wがある。
なお,特殊用途(耐食形,防爆形,調光形など)として,40W 1灯用及び20Wのラピッドスタート式のものがあるが,一般的な施設では使用されていない。
(2) 水銀灯器具
「一般形」で,「高力率」のもの。「定電力形」のもの,及び「フリッカレス形」のもの。
なお,この器具の主な用途は,体育館や工場など高天丼に設置される照明や,道路照明などである。
また,安定器は,一般には器具に内蔵されておらず,器具と分離して「別置形」として設置されている。
(3) 低圧ナトリウム灯器具
全機種。なお,この器具の主な用途は,トンネル灯である。
□ 施設の建築年又は照明器具の保守交換時期の判別
施設を建築・改修された時期又は照明器具を保守交換された時期を確認してください。
時期が,1957年(昭和32年)1月から1972年(昭和47年)8月までのものであればPCB使用安定器が
使用されている可能性があります。
□ 安定器の交換について
PCB使用安定器と判別された場合は,速やかに交換が必要です。
安定器を取り外す作業は、当社までご連絡下さい。
なお,交換にあたっては,安定器のほかソケットや電線等の附属部品も耐用の限度を超えており,
継続使用は危険です。
安定器のみの交換ではなく、必ず照明器具ごと交換してください。